統計検定は日本統計学会が認定する統計のスキルを検定する試験です。
システムの品質を分析するにあたって、統計学は必要な知識ですので、検定を受験することで「統計的なものの見方と統計分析の能力」を評価することができます。
試験種別としては、1級から4級までと、統計調査士・専門統計調査士が用意されていましたが、このたび「データサイエンス」という試験種別が新設されることとなりました。
データサイエンス
デジタル化された社会では、大量に蓄積された多種多様なデータから目的に応じた問題解決的思考に基づく解析力=データアナリティクス能力が必要とされます。
そこで、提示された具体的なデータセットから分析目的に応じた解決手法を選定し、表計算ソフトExcelを用いて「データの前処理から解析の実践、出力から必要な情報を適切に読み取り、当初の問題の解決のための解釈を行う一連の能力」を評価する試験種別を統計検定として創設したものが「データサイエンス」試験です。
この試験は、Excelを使用することからCBT(Computer Based Testing)方式で実施されることとなっています。
この試験では、新学習指導要領で共通必履修化された数学科と情報科の両科目における「データの分析」「データの活用」の単元を中心に大学入試までの内容レベルとしますが、同時に社会人が業務の身近な課題をデータ処理するに必須の内容レベルでもあるので、就職や採用時の自身のデータアナリティクス・スキル資格、社内での社員資格等に活用できるものです。
「数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム」のスキルセットに準拠しており、「データサイエンス基礎」「データサイエンス発展」「データサイエンス応用」の3段階で展開する計画になっています。
その第一弾として「データサイエンス基礎」を今年度(2020年)春に開始する予定で進めていましたが、
コロナ禍の影響を受ける形で秋以降に変更となっています。
「データサイエンス基礎」は、新学習指導要領で共通必履修化された数学科と情報科の両科目の「データの分析」「データの活用」の単元より大学入試レベルとして用意されるものとのことです。
ただ、このスキルは社会人が業務でのデータ処理を行なう際にも必須といえるレベルであり、就職採用時のデータアナリティクスのスキル把握や社内での社員資格としても活用してもらうことも想定されているとのことです。
コロナ禍
「データサイエンス基礎」の試験実施が延期された要因は、
コロナによるものですが、それは通常の検定試験にも影響を及ぼしています。
統計検定の試験形態、紙で実施する方式(Paper Based Testing)とコンピュータを利用する方式(Computer Based Testing)が用意されていますが、そのうちPBT方式は、大きな会場に集合して実施する形であり、通常年に2回(6月と11月)に実施されているものです。
ところが、今年は
コロナ禍による「3密回避」のため、6月実施分は中止となってしまいました。
現在、統計検定を実施している「一般財団法人 統計質保証推進協会」が公開している2020年度の試験実施計画は次のようになっています。
試験方式 |
月 |
検定種別 |
PBT |
6月 |
準1級 2級 3級 4級 ← 全種別中止 |
PBT |
11月 |
1級統計数理 1級統計応用 2級 3級 4級 統計調査士 専門統計調査士 |
CBT |
通年 |
2級 3級 4級 統計調査士 専門統計調査士 |
☆ただし、CBT方式は実施会場ごとに実施可能日が決められていますので、会場宛に問い合わせてください。
「4級」は今まではPBT方式だけでしたが、2020年6月8日(月)よりCBT方式での受験も可能となっています。
また、「専門統計調査士」のCBT方式は現在準備中とのことです。
6月実施のうち「2級」「3級」「4級」は、CBT方式で代替えが可能ですが、「準1級」はCBT方式が存在しないため、延期にての開催を検討しているようです。
「データサイエンス基礎」は、2020年12月末までにCBT方式ベータ試験の結果検証を行ない、2021年3月末から試験配信を開始する予定と発表されています。
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